研究奨励賞

2024年研究奨励賞 受賞者2矢印 2024年研究奨励賞 受賞者1矢印 研究奨励賞 歴代受賞者(別ページ)矢印

目的・詳細

研究奨励賞 楯
楯

1. 目的

電子科学技術の分野で、将来の発展が期待される独創的な研究に取り組む若い研究者を表彰すると共に研究費を助成し、わが国の電子科学技術の振興並びに産業の発展に寄与することを目的としています。

2. 表彰内容

研究奨励賞 3名
表彰楯並びに研究助成金(1名当たり)200万円贈呈

3. 候補者選考

当財団が定める、選考委員会規則及び研究奨励賞選考規程に基づき、選考委員会で推薦書審査により候補者を選定し、選定候補者から提出された研究内容等を審査し、受賞候補者を内定します。
理事会の承認を経て決定し、11月下旬に結果通知を郵送いたします。
-- 選考委員会へ矢印

研究奨励賞 2024年受賞者

研究奨励賞 歴代受賞者(別ページ)矢印

●研究課題
「分散仮説検定の手法を用いたマイクロ波による乳がん組織検出に関する研究」

宋 写真

宋 航博士
(東京科学大学 環境・社会理工学院 融合理工学系助教 工学博士 1990年生)

研究概要

乳がんの早期検診において,X線マンモグラフィは標準的な検診法として使われていますが、X線撮影時の胸部圧迫に伴う苦痛や電離放射線被曝によるリスクという課題がある。本研究は、被曝リスクのないマイクロ波を用いた新しい検出 技術を開発する。近年、乳がん組織と正常組織の誘電特性に差があるという実験事実に基づき、マイクロ波による乳がん検出技術の開発が進められているが、従来のマイクロ波検出技術では、強い散乱体の位置しか推定できず、その散乱体が乳がん組織なのか乳腺組織なのかを判定することができないという課題が残されている。

そこで本研究では、検出部位の判定に分散仮説検定理論を導入し、マイクロ波散乱信号を組織の特徴を表す量に変換するエンコーダーと、複数の計測点から得られるエンコード結果を基にがん組織の判定を行うデコーダーを開発する。提案 手法により、検出部位が乳がん組織であるという仮説を検定し、誤判定確率の低減を挑む。将来的には、開発した技術を 臨床応用研究へ展開し、マイクロ波による乳がん検出技術を実用レベルに近づけることを目指す。

研究奨励賞 2024年受賞者

研究奨励賞 歴代受賞者(別ページ)矢印

●研究課題
「次世代3次元CMOS の実現に向けた素子基盤技術の構築」

柯 写真

柯 夢南博士
(横浜国立大学 総合学術高等研究院 テニュアトラック准教授 博士 1989年生)

研究概要

近年Si CMOS微細化による種々の物理的限界の顕在化が問題となっており、Siより移動度の高いGe半導体を利用して電流駆動力を向上させるMOSFET技術に注目が集まっている。また、二次元材料半導体である遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)は、スケーリングによって引き起こされる短チャネル効果を有効的に抑制し、サブナノレベルな単層の場合でも比較的高い移動度を保持など、三次元集積CMOSの最優先候補チャネル材料として期待される。

本研究では、現在広く使用されているSi CMOSとは異なる微細化技術に基づき、より低消費電力で動作できるGe pFETとMoS2 nFETを混載する3次元集積CMOSデバイスを開発する。この目的のため、新規Ge pFETとMoS2 nFETの物理検討、設計、試作、最適化プロセス技術を構築する。高い移動度とオン電流密度を実現するため、高品質なMOS界面技術や低抵抗ソース・ドレイン(SD)形成技術などを素子試作によって確立する。そのため、極薄のゲート絶縁膜形成、低欠陥のMOS構造制御技術、優れたSD領域の形成、相互SDコンタクト技術、チャンル長の最適化設計などの技術を確立する。世界初となるGe pFETとMoS2 nFETを用いる3次元集積CMOSの設計および開発を成功させ、その最適構造やプロセスを明確にする。