第54回 2023年 科学放送高柳健次郎賞 受賞番組
番組名「NHKスペシャル 超・進化論 第1集 植物からのメッセージ~地球を彩る驚異の世界~」
●放送局:日本放送協会 ●放送日:2022年11月6日(49分間)
(左:虫あり 右:虫なし)
最先端の科学が明らかにする、生き物たちの驚きの新世界 を描く大型シリーズ。“人間は最も進化した生き物だ”とい う思いこみを捨て、植物、昆虫、微生物たちの知られざる営 みに徹底的に迫っていく。生き物たちは、弱肉強食のよう な競争関係だけでない、様々な深いつながりの中で驚くべ き能力を進化させてきた。第1集は、植物の“見えざる世 界”に、最先端の科学と特殊撮影を駆使して徹底的に迫っ た。見えてきたのは、常識を覆す驚異的な能力の次々植物 が、周囲の環境の変化を鋭敏な“感覚”で捉える様子を、4 K蛍光顕微鏡や特殊な実験映像で可視化。また世界で初め て、植物が“おしゃべり”をするようにコミュニケーションす る様子を映像で捉えることに成功した。
森の地下では、木々が巨大なネットワークでつながり、支え合っているという最新の事実も明らかに。植物はただ黙って、光や栄養分をめぐり周囲 と競争しながら生きているだけではなかった。周りの植物や昆虫、微生物たちと複雑に関わり合う中で、驚くべき豊かな世界を築き上げていた。
番組名「信州のがん最前線vol.22 進む医療 選べる時代に」
●長野朝日放送株式会社 ●放送日:2022年9月23日(55分間)
ロボット手術や陽子線治療など先進的ながん治療 においても、近年、健康保険の適用範囲が拡大し、治 療の選択肢は広がっています。手の届きづらかった 先進的ながん治療が、より身近になっている現状を 紹介。
さらに、今、世界中から注目を集めるのが「CAR- T(カーティー)細胞」を使った次世代の治療方法で す。「CAR-T細胞療法」は患者の血液から免疫細胞を 取り出し、がんへの攻撃力を強化して体内に戻すもの で、信州大学の研究グループが世界中で進む研究の 最先端に立っています。信州大学が使うのは、「アオ ムシの酵素」。 より効率的で安価、安全な製品が 作れるといいます。研究のきっかけは約20年前、グループを率いる教授と白血病の少女との出会いに遡ります。当時、少女の治療 を担当していた教授に家族から投げかけられた言葉が、教授に渡米を決意させ、「CAR-T細胞」研究へと道を開きます。そして、少 女に骨髄を提供した兄は看護師となり、いま、信州大学医学部附属病院で教授とともに働いています。医療関係者や実際に治療を 受けた患者を取材しながら、最先端のがん治療について伝えます。
番組名 「居間からサイエンス #1ペロブスカイト太陽電池」
●放送局:BSテレビ東京 ●放送日:2023年4月19日(55分間)
ノーベル賞候補者からヒット商品を生み出す 研究者まで、日本が誇るサイエンティストの ユニークな日常や、人生のターニングポイントに 迫る新しい科学番組「居間からサイエンス」。
記念すべき第一回のテーマは、次世代エネルギー として注目を集める「ペロブスカイト太陽電池」。 その最大の特徴は、軽くて曲げられること。 ビルの壁面やドローンへの装着など、様々な実用化 に向けて、世界中で開発競争が進んでいるが…
実は、発明したのは日本人、桐蔭横浜大学の 宮坂力氏。ノーベル賞候補と呼ばれるサイエンティ ストをゲストに迎え、加藤浩次と徹底的にトーク!
現在、東京大学など3つの大学で肩書きを持つ宮坂氏だが、意外なことに、前職は「富士フイルム」20年在籍したサラリーマン 研究員。そんな大企業を辞めてまで選んだのが「大学教授」だった。研究環境が恵まれているわけでなく、年収は300万円も 減ることを知ったが、宮坂氏は、「サイエンティスト」の道を選んだという。大企業の安定した収入を失ってでも、宮坂氏のやり 遂げたかった思いとは…その決断の舞台裏に迫る!