第48回 2017年 科学放送高柳健次郎賞 受賞番組

番組名「力ムイの鳥の軌跡 ~オオジシギ2つの物語~」
●放送局:北海道テレビ放送株式会社    ●放送日:2017年8月14日(45分)

番組 写真

アイヌの人々は動物や自然現象に宿る「力ムイ」を敬い、多くの神話を語り継いできました。「チピヤクカムイ」はシギの神様。シギの神様はある日、オオジシギに姿を変えて地上に舞い降り、そして人間の国の 美しい光景に一目惚れしてしまいます…

オオジシギは小さな渡り鳥です。夏は主に北海道で繁殖し、冬はオーストラリアで過こしますが、どのように渡っているのかわかっていません。2016年夏、日・豪の鳥類研究者が小型の衛星発信機をオオジシギに装着させ、世界で初めて渡りのルートを追跡する調査に臨みました。日本からオーストラリアに向かってどんな旅をしているのか?GPSのデータはいったいどのような軌跡をたどるのか?調査で明らかになることすべてが、世界初の発見となりました。番組では独自にオオジシギの位置データと当時の気象状況を重ね合わせ「いつ、どのタイミングで渡りを始めるのか」という謎にも、仮説を導き出しています。アイヌの伝説でオオジシギが一目惚れした人間の世界と、日豪の研究者が解明していく渡りのルート。錯綜する2つの世界が重なったとき、一つのメッセージが浮かび上がります。

番組名「ゴミノヒカリ~未来を照らすアルミゴミ発電~」
●放送局:株式会社チューリップテレビ    ●放送日:2017年5月24日(49分)

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飲料パックやカップ麺のふたの裏側を見ると、銀色に光っている部分が あります。これはアルミ。こうしたアルミの付いたゴミは、リサイクルが 難しく、ほとんどが焼却や埋め立て処分されています。その量は家庭 ゴミの実に20%にも達するといいます。

こうしたゴミをなんとかしたいと立ち上がったのが、高岡の運送会社の 元事務職・水木伸明さんです。水木さんは、家庭ゴミからアルミを取り出し、 そのアルミから水素を発生させて、電気に変える世界初の発電プラントを 開発しました。そして、このプラントが、来るべき水素社会の切り札として 注目されます。なぜかというと、水素社会を実現するための課題といわれ る水素の運搬と貯蔵が、アルミなら簡単で安全にできるからです。

しかし、そんな矢先、水木さんを病魔が襲いました。骨髄の病で、医師からは死の恐れもあるといわれました。それでも水木さんは、新たな 装置の開発を続けます。目指したのは、災害時に電源がなくても発電できる小型の緊急発電装置です。『地域でアルミゴミを集め、アルミで 保管し、緊急時に電気がなくても、発電できるようになる…』そんな新たなリサイクル社会の可能性を秘めた装置が、日本の未来を照らします。

株式会社チューリップテレビより許諾を得て、YouTubeで番組紹介版を公開再生

番組名 「 村山斉の宇宙をめぐる大冒険 」
●放送局:日本放送協会    ●放送日:2017年1月6日(59分)

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「宇宙はどう始まったのか?」
「なぜ我々は存在するのか?」
「宇宙はこれからどうなるのか?」

この究極の謎に迫るのが、世界の第一線で活躍する素粒子物埋学者・村山斉さん。36歳で力リフォルニア大学バークレー校の教授となり、東京大学力プリ数物連携宇宙研究機構の機構長を兼任する村山さんが、多忙なスケジュールの合間を縫ってNHKの撮影に協力することになった。ブラジルのレンソイス・マラ二ェンセス国立公園や、タイのランタン祭りなど、宇宙をひもとくヒントが隠された世界各地の絶景地を訪ね、情熱的でスケール間のある例え話で、子どもでも分かる"最新宇宙論"を展開する。さらにビザ屋への弟子入りや、室内スカイダイビンク施設などで教授みずから体を張った数々の実験を敢行。また、2人のノーベル賞受賞者・ビッグバンの証拠を見つけたウィルソン博士と、宇宙の加速膨張を発見したパールムッター博士との対談も行う。CGを駆使した壮大なスケールの映像も交え、字宙最大の謎に迫っていく。

■ 放送期間/2016年9月1日~2017年8月31日 ■ 応募放送局/16局 ■ 応募番組数/20番組