第45回 2014年 科学放送高柳健次郎賞 受賞番組

番組名 NHKスペシャル 「アルツハイマー病をくい止めろ!」
●放送局:日本放送協会    ●放送日:2014年1月19日(49分)

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“認知症800万人時代”。中でも深刻なのがアルツハイマー病だ。 認知症に占める割合が7割近くと最も高く発症者が急増。完治させ る方法は無い。そんな中で今、病の進行をくい止め、予防しようという 取り組みに注目が集まっている。

きっかけは、病が発症するまでに25年もの長い年月がかかること が調査から明らかになったことだ。症状が出始める前から薬を投与 して予防する。既に症状が出ていても進行をくい止める新薬の開発 が最終段階を迎えているのだ。

日常生活にもリスクがあり、運動不足や睡眠不足の解消が意外な 効果を発揮することも分かってきた。病に立ち向かう最先端の現場 に迫った。

“認知機能テスト”“運動プログラム”について視聴者から1,000件近い問い合わせ、再放送の要望などが寄せられた。国内外の医師や 研究者から「最前線の動きを的確にとらえ、視聴者がするべきことを具体的に示した」と高い評価を得た。 2010年「NHKスペシャル 認知症を治せ!」の時点では、今回紹介した研究は始まったばかりだったが、ここ数年で新たな成果が次々 に出てきた。病の克服に向け、この瞬間にも世界の研究は確実に進んでいると実感している。

番組名 テレビ東京系列
「カンブリア宮殿 “ノーベル賞御用達!”光の技術を極める超絶企業」
●放送局:株式会社テレビ東京    ●放送日:2013年12月12日(45分)

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「カンブリア宮殿」は、企業や経営者の戦略、経営哲学などにスポッ トを当てて来た経済報道番組である。今回は、浜松ホトニクスの偉業 と、挑戦を続ける企業理念を伝えることに挑んだ。

浜松ホトニクスは、光の粒子・フォトンの可能性にいち早く気づき、世 界でどこも真似のできない高い技術を武器に1000億円を稼ぐ、知 られざるスーパー企業。ヒッグス粒子の発見を成し遂げたハイテクセ ンサーや、ニュートリノ観測の決め手となった光電子増倍管も、浜松 ホトニクス製であり、“浜ホト”はいわば「ノーベル賞学者御用達企業」 なのだ。

だが浜松ホトニクスは、一般の人たちにはあまり知られておらず、 テレビでもあまり取り上げられることがない。その「すごさ」を映像で 表現することが難しい上、「基礎研究の企業」であるという“地味さ”が、その理由であろう。

番組では、車の自動ブレーキ、血液分析、CTスキャンなど、身の回りのあらゆる所で活躍する「光の技術」を分かりやすく解説。また、ヒッ グス粒子発見の舞台となったスイスの巨大研究施設「CERN」も独自取材。

番組名
TOYAから明日へ!「氷の島のメッセージ」グリーンランド温暖化の最前線から
●放送局:北海道テレビ放送株式会社    ●放送日:2013年11月4日(47分)

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世界最大の島、グリーンランド。日本の約6倍を占める面積のほと んどが分厚い氷床や氷河で覆われた「氷の島」です。この氷が近年、 凄まじい規模とスピードで減少していて、地球温暖化の影響が疑わ れています。

北極は気候変動の影響が地球上で最も顕著に現れる地域とされ ていて、文部科学省は国立極地研究所をはじめ国内35機関の連携 のもと、2011年度から5ヵ年計画で大規模な観測研究事業に乗り 出しました。

HTBの取材班は、研究の一翼を担う北海道大学のチームに同行 取材。北緯77度の街・カナックを拠点に、6月下旬から約1ヵ月間に わたり観測活動の最前線に迫りながら、氷河などの貴重な映像を収 めました。

番組ではこの1ヵ月に及ぶ学術調査を克明に記録、さらにグリーンランドに生きる人々の姿、そこに住む日本人、そして漁業への影響な ど・・・多角的に切り取り、はるかグリーンランド 氷の島が私たちに伝えるメッセージを追いました。

■ 放送期間/2013年9月1日~2014年8月31日 ■ 応募放送局/9局 ■ 応募番組数/13番組