研究奨励賞 2014年受賞者

●研究課題
「海洋環境における生態理解のための画像処理技術」

榎本 写真

榎本 洸一郎
(新潟大学大学院 自然科学研究科 電気情報工学専攻 助教 1985年生)

研究概要

安定な自然照明条件や複雑な背景のもとで、個性をもつ生物の個体を識別することは、現在の画像処理技術がもっとも不 得意とするものの一つである。この研究分野は、より高度で柔軟な画像処理技術が求められる新規性の高いものであるといえる。 本研究は、海洋環境における画像処理を用いた生物の生態分析に関するもので、主に海底における貝類などの底生生物の資源分析に関す るテーマと、干潟における水棲小動物の行動分析に関するテーマの二つを、これまでに扱ってきている。前者は海底に生息するホタテガイを対 象とし、海底画像から画像処理を用いた自動計測技術を確立するとともに、得られた結果とGPSなどの位置情報や統計学的知見を基に、水 産業のための資源量を推定する手法を提案している。後者は、干潟に大量の群をなして棲息するミナミコメツキガニの群行動を理解するため に、屋外の環境下で、安定なカニのトラッキングを実現する手法を考案し、実際の環境下での分析を実現している。

この研究課題の遂行のためには、撮影装置はもとより、画像処理アルゴリズム、データ分析用ソフトウェアなどはすべて自前で開発せねばな らず、研究を行う上での専門的知識も開発スキルもきわめて高いものが要求される。

本研究の成果は、画像処理分野に限らず、水産業や生物学、動物行動学などの他分野に渡るものである。それぞれの専門家と密に研究を進 めることで、より現実の問題に即した技術貢献がなされている。