第52回 2022年 科学放送高柳健次郎賞 受賞番組
番組名「NHKスペシャル 「恐竜超世界 in JAPAN 」」
●放送局:日本放送協会 ●放送日:2022年3月30日（73分間）
いま日本が、世界の恐竜研究の新たなホットスポ ットになりつつある。
北海道では、“恐竜界最大級の謎”とも呼ばれる 謎の恐竜・テリジノサウルスの化石が見つかった。 異様に長い爪を持った恐竜で、当初は恐ろしい肉 食と思われていたが、そのイメージを覆す意外な姿 が最新研究から見えてきた。岡山県では、映画「ジ ュラシックパーク」を彷彿とさせる研究が進行中 だ。なんと「恐竜化石からタンパク質を取り出す」と いう驚きの研究の独占密着取材に成功！恐竜学の 概念を変える可能性を秘めた研究を追う。
さらに「恐竜は隕石で絶滅した」という有名な定説に疑問を呈する日本の研究成果も紹介。
また、日本屈指の恐竜化石ハンターのガチンコ化石探しにも密着。すると九州某所で大発見の瞬間に遭遇することに！ 国内の様々な研究から浮かび上がった「想像を超えた日本の恐竜超世界」を最新CGで紹介、研究者たちの素顔にも肉薄 する。
番組名「映像２２「 研究者法廷に立つ・特許の対価を問う理由 」」
●株式会社毎日放送 ●放送日:2022年1月30日（50分間）
２０１８年、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都 大学特別教授の本庶佑さん（８０）。
受賞理由は「がんの免疫治療の発見」だった。日本 の製薬会社「小野薬品」との共同研究によって開発 された「オプジーボ」と呼ばれる免疫チェックポイント 阻害薬は今やがん治療に欠かせない薬になった。
その元となる「PD‐１」と呼ばれる分子を本庶さん 率いる研究チームが約３０年前に発見した。
研究者として栄華を極めた本庶さんは２０２０年、 パートナーの小野薬品を訴える。
特許料率の配分をめぐって小野薬品から正当な対価 を支払われていないと２００億円を超える賠償金を求めた。本庶さんが裁判という手段に出た理由、それは科学や基礎研究 の弱体化が指摘される日本で、研究で得られた成果をアカデミアにも正当に還元したいという思いからだった。 「PD‐１」発見時の貴重な記録と共に、本庶さんが次の世代の研究者たちへ託した思いと共に伝える。
番組名 「－駿河湾 最深部の王者“３つの謎”－」
●放送局:株式会社テレビ静岡 ●放送日:2022年1月16日（60分間）
２０２１年１月、駿河湾（静岡県）の最深部で新種の 巨大深海魚が発見された。体長１．４ｍ、重さ２５ｋｇ。 「シーラカンスが釣れた」発見した時、乗組員たちは、 そんな言葉を口にしたという。その魚はセキトリイワ シ科の新種で、体長が同種の一般的な個体の４倍あ り、群を抜いて巨大だったため「ヨコヅナイワシ」と名 づけられた。しかも、駿河湾の最深部におけるトップ プレデター（頂点捕食者）、生態系の頂点に君臨する “王者”だというのだ。
テレビ静岡では２０１５年から独自開発の深海カメ ラで駿河湾の深海世界を撮影してきた。
「新種発見」の一報を受け、２０２１年春、ヨコヅナイワシの撮影プロジェクトをスタートさせた。 プロジェクトの中で浮かび上がったのは、これまで知られていた深海生物の“普通”とは異なる「３つの謎」。 番組では、膨大な駿河湾の深海映像、捕獲個体の解剖調査、最新研究の取材から、新種の巨大深海魚の神秘に満ちた 生態に迫っている。
