第44回 2013年 科学放送高柳健次郎賞 受賞番組

番組名 未来世紀ジパング “アルマ展望台”プロジェクト
●放送局:株式会社テレビ東京    ●放送日:2013年7月15日(45分)

番組 写真

“世界で最も星空が美しい”と言われる南米チリ・アンデス山脈の アタカマ砂漠で、日本が深く関わる巨大プロジェクトが沸騰してい た。20の国と地域が参加する国際プロジェクト、「アルマ望遠鏡」だ。 標高5000メートルの高地に、巨大なパラボラアンテナが66台も設 置され並ぶ様は、圧巻。「銀河の始まり」や「生命の誕生の謎」を解明 するのだという。その陰には未知なる領域に挑戦しようと壮大な構 想を抱いた、ある日本人科学者の30 年にも及ぶ執念があった。そし て、巨大望遠鏡の製作に当たったのが、精密な加工技術を持つ日本 の中小企業など200社。前人未到の精巧さを追い求めて、技術者た ちが心血を注いだ開発に密着取材した。

今のニッポンに少し足りないもの、それは夢と目標である、そしてそこに向かう執念である、そんなメッセージが彼らから伝わってきま した。制作にあたっては、宇宙の果てを見るという遠い話、宇宙科学の難しい内容に何とか関心を持ってもらうため、とにかく分かりやす く伝えることに腐心しました。放送後は、「まったく知らなかったことを知ることができた」「希望を感じた」といった評価の声が寄せられ ました。

番組名 NHKスペシャル「世界初撮影! 深海の巨大イカ」
●放送局:日本放送協会    ●放送日:2013年1月13日(58分)

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伝説の怪物「ダイオウイカ」。古来より船を沈めると恐れられてき た最大18mに及ぶ世界最大のイカだ。しかし、深海で生きた姿を見 た者は誰もいない。地球の海・最後のミステリーといわれる幻の超巨 大イカの撮影に、NHKと国立科学博物館などの国際チームが挑戦。 世界遺産の小笠原諸島を舞台に、科学者やエンジニアなど11カ国か ら50人のスタッフが結集した。

透明ドーム型で3 4 0 度の視界をもつ最新鋭の潜水艇2 隻に、 NHKが開発した深海用超高感度カメラを搭載、水深一千mの深海に 潜航する。目指すのは発光生物や新種の生物に満ちた深海の秘境・ トワイライトゾーン。ダイオウイカを誘き出すため、科学者たちは大胆 な作戦の数々を展開する。オトリ作戦、発光生物の光でおびき出す作戦、異性を引きつける化学物質・フェロモン作戦。なかでも、ダイオウ イカ最大のライバル・マッコウクジラにハイテク小型カメラを装着し撮影する試みは圧巻。

10年の歳月をかけ地道に調査・準備を進めた末、ついに奇跡を呼び起こす。人類が初めて遭遇したその姿は、黄金にまばゆいばかりに 輝いていた!潜航回数100回、潜航時間400時間に及ぶ空前の海洋科学アドベンチャー番組。

番組名
生命38億年スペシャル・最新遺伝子ミステリー「人間とは何だ・・・!?」
●放送局:株式会社TBSテレビ    ●放送日:2013年2月11日(97分)

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「人間とは何か…!?」この謎を解くための新たな【鍵】に、私たちは 出会いました。【遺伝子スイッチ】です。【遺伝子】には【スイッチ】があ り、ONになったりOFFになったりする!それは、生きもののあらゆる 謎にかかわる大いなるメカニズムです。生命進化と人類誕生の秘密 にも、受精卵がおとなに成長するのにも、がんに罹るのにも治療に も、健康長寿の秘訣にも、iPS細胞や再生医療にも、これらのすべて に【遺伝子スイッチ】が深く大きく関わっています。

ヒトゲノムが解読されてわずか10年、この間にエピジェネティクス 【遺伝子スイッチ】の研究が急速に進んだおかげで、生命のメカニズ ムの解明が急速に進みました。この番組は、山中伸弥教授のi P S細 胞で日本中が沸いている最中、エピジェネティクスに焦点を絞った日本で初めての大型番組となりました。

私たちは「どうぶつ奇想天外!」などの自然・科学番組を制作してきたチームですが、初めての遺伝学には大変苦労し、監修の榊佳之先 生に大変お世話になりました。また、映像の撮れないミクロの話で、小学生からお年寄りまで引っ張るのには、安住紳一郎アナウンサー が活躍しました。

■ 放送期間/2012年9月1日~2013年8月31日 ■ 応募放送局/10局 ■ 応募番組数/12番組